« あけおめことよろ&エスパイ | トップページ | モン・スール »

2006年1月 5日 (木)

夕凪の街 桜の国

雑誌ダヴィンチで漫画「夕凪の街 桜の国」(こうの史代・双葉社)が取り上げられていたので読み直してみた。

「夕凪の街 桜の国」は2つの短編と1つの中篇から成り立っている。
そこに描かれているのは原爆が投下された街・広島だ。
最初の話「夕凪の街」は、太平洋戦争終結から10年後、原爆の凄惨な状況から生き残った女性とその母と周辺の人々の生活が描かれている。
そして、「夕凪の街」の話は「桜の国(一)(二)」へと続いていく。

原爆を描いた漫画といえば、「はだしのゲン」がまず頭に浮かんでくる。
こちらの「夕凪の街 桜の国」はかわいらしい人物描写で、表紙だけでは原爆の話であることは非常にわかり辛い。
ちょっと見では、ほのぼのとした漫画を想像してしまう。(裏表紙ではストーリーがしっかりと紹介されているが)
自分は戦争を知らない世代だし、広島へ行ったことがない。
それでも、原爆とそれによる影響は恐ろしいというイメージはなんとなく浮かんでくる。
万単位の人が一瞬で死に、街は瓦礫の山…それは映画でも漫画でも何度を描写され、それを繰り返し見てきたから。
しかし、当時の人々の心に例えようがないほどの大きな傷を与えたことまでは想像できてはいなかった。
「夕凪の街」を読み進めていくうちに、ようやく心の傷の片鱗がわかった…ような気がする。

作者があとがきで「『夕凪の街』は35ページめにおいて、(読んだ)貴方の心に湧いたものによってはじめて完結する」と語っていた。
その「湧いたもの」は、自分の場合、初めに読んだ時としばらくして何回か読み直した後では少しずつ変化した。
年をとればまたさらに変わっていくと思う。
読み返せば読み返すほど引き込まれていく、このような漫画はそうそうない。
映画化が予定されているので、さらに多くの人々にこの作品を知ってもらえることだろう。

|

« あけおめことよろ&エスパイ | トップページ | モン・スール »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/159982/8018446

この記事へのトラックバック一覧です: 夕凪の街 桜の国:

« あけおめことよろ&エスパイ | トップページ | モン・スール »